失敗しない、後悔しない土地探し。安いからと旗竿地を買っても大丈夫?土地を探すときにはここに気をつけよう!

注文住宅を建てようとしたとき、まずは土地探しから始めなくてはなりません。道路は南側がいいとか、さんずいが付く地名は水につかりやすいから避けた方がいい、とか、少しは聞きかじったことがあったのですが、実際に土地を探しているうちに、いろいろとわかったこともあります。

土地に全く同じものはなく、全てが違った特徴を持っています。いい土地を見つけることができれば本当にラッキーですが、更地になった土地だけを見ても、いい土地なのかどうか判断することは難しいです。

本当は、土地のプロである不動産屋さんが親切丁寧に教えてくれるのが一番なのですが、不動産屋さんも商売なので、不動産屋さんの利益になる土地をお勧めすることはあっても、買うわたしたちのためになる土地を進めてくれるかどうかは分かりません

失敗しない、後悔しない土地探しのためには、買うわたしたちがしっかり勉強をしなくてはなりません。なので、わたしたちの経験から、土地を買うときに気をつけることをご紹介したいと思います。

整形地か、お値段が安い旗竿地か

整形地とか、旗竿地(はたざおち)とか、聞いたことはあるでしょうか。整形地の方が価値があって、旗竿地だとだいたい2割くらいは安くなっているのですが、安いからといって飛びついてしまうと、あとで後悔するかもしれません。ちゃんとメリットデメリットを分かって選ぶようにしたいですね。

実際に、旗竿地だけ売れ残っていることもあるようですから、旗竿地は安くても人気がないのでしょう。

整形地

形地とは、名前のとおり、形が整った土地のことです。家の形は四角が基本となりますので、土地を無駄にしないよう、理想としては長方形や正方形の四角い土地の形がベストです。ですが、元々は整形地だったのかもしれませんが、広い土地が分割されて売りに出されたりするうちに、だんだんと形が崩れてしまいます。

わたしたちの土地は、長方形に近いのですが、やや菱形のような形の土地になっています。なので、元々狭い裏側の庭なのですが、形が良くないこともあって、使い勝手はよくありません。それでも、少しずつお花を飾ったりして綺麗にしましたので、快適なお庭になりました。

本当は、長方形や正方形の方がいいとは思いますが、少しくらいなら変形した土地でも大きな問題はないと思います

旗竿地

旗竿地とは、道路に面しているのは2メートルくらいの幅の通路だけで、その奥に入ったところに家が建っている、そういう土地のことをいいます。建売住宅が5棟くらい分譲されていれば、手前の3棟は整形地に立っているけど、残りの2棟は奥まった旗竿地に立っていたりしますので、家を探している方はよく目にしているのではないでしょうか。

旗竿地という名前は、まさに旗竿からきていて、四角い旗から下に向かって竿がひょろっと出ている様子に由来します。

この旗竿地ですが、整形地に比べると、だいたい2割くらいは安くなるというのが相場のようです。土地の値段は高いですから、2割も安くなるととても助かりますね。ですが、安くなるのにはそれだけの理由があるのです。

日当たりや風通しの問題

まず、日当たりや風通しに問題があります。整形地であれば、どこか1カ所が道路に面していますので、そこの部分は日当たりや風通しが確保しやすくなります。ですが、旗竿地だと、細い通路で道路に面していますので、家の4方向がほとんど他の家に囲まれてしまっています

建売住宅で完成しているのであれば、旗竿地に立っていても、日当たりや風通しを実際の建物で確認することができます。それでも、内覧する時間はせいぜい1~2時間程度ですから、朝、昼、夕方、全部の時間での日当たりを確認することはできませんし、夏と冬との違いもわかりません更地の土地の状態だとなおさらで、家が建った後の日当たりや風通しを想像することは無理があります

わたしたちは、完成済みの建売住宅で、旗竿地に立っているものをいくつか実際に見に行ってみました。そのような物件は、2階にリビングがあって、リビングの日当たりや風通しはとても良く、好印象なのですが、1階のお部屋の日当たりがかなり悪かったりします

日当たりや風通しは、実際に見て感じてみることが一番なので、もし旗竿地となっている土地を買うのであれば、その前に、完成済みの住宅で、旗竿地に建つ家がどんな感じになるのか、確かめておいた方がいいですね

入り口通路が狭いという問題

旗竿地の入り口通路は、だいたい2mくらいです。というのも、建築基準法で、道路には2m以上の幅で接していなければ家を建てることができないので、最小限度の幅で道路に面しているからです。

2mの幅の通路ですが、車の幅はだいたい1.7mくらいなので、駐車スペースにすることもできます。ですが、駐車した車の横を、スーパーの買い物袋を抱えて通ったり、自転車で通ったりするためには、ギリギリの幅しか残りません。このことは、実際に生活してみてはじめて不便に感じることが多いので、気をつける必要があります。

特に、建売住宅であれば、お隣さんとの敷地の境界に塀やフェンスをあえて置かずに、旗竿地の人の出入りをしやすくしていることがあります。ですが、幅2mの通路で両サイドにフェンスがあると、かなり狭くなってしまいます。生活を始めた後、お隣さんが自分の敷地内にフェンスや植木を置いてしまい、自分の家の通路が使いにくくなったとしてもどうにもなりません

そして、幅2mの通路だと、家の大がかりな修繕などをするときに、ショベルカーなどの重機が入らないという問題もあります。重機が入らなければ人力となりますので、それだけ費用が高くなってしまうようです。

道路は南側がベストなのでしょうか

良い土地である理由の一つに、南側で道路に接しているというポイントがあります。南側に道路があれば、南側からの日差しがそれだけしっかりと注いできますので、日当たりが良いということが理由だと思います。ですが、土地の南側に道路があることが本当にいいことなのか、少し考えてみました。

南側に道路があるということは、玄関も南側にあるということになります。なので、せっかく日当たりのいい南側なのですが、1階のかなりのスペースが玄関にとられてしまいます。それでも、日当たりのいい南側にはリビングなどにしたいと思うところですが、南側には道路がありますので、道行く人の気配が気になってしまって、カーテンを開けにくくなります。

そして、住宅街になるような場所でしたら、家の北側には、北側斜線制限という高さ制限があります。家の北側はお隣さんから見て南側となりますので、お隣さんの日当たりが悪くならないように、高さ制限があるのです。南側が道路だと、駐車場も南側となりますので、家の場所は敷地の北の方になるのですが、北に行くと北側斜線制限がかかってきますので、思い通りの形の家が建たないことになります。

道路が北側だとどうなるのか

わたしたちは、北側道路の土地を買いました。いろいろなことを考えて、本当は南側道路が良かったなと思いながらも、北側道路の土地になったのです。最初は日当たりのことが心配だったのですが、日当たりについては、道路が北側だからこそのメリットもありました。

まず、玄関の場所は道路のある北側になりますので、南側は、リビングやお部屋に全部使うことができます。南側にはお隣さんの家があるのですが、お隣さんには北側斜線制限がかかっていますので、お隣さんの家はそんなに日差しの邪魔にはなりません。それに、南側には道路がありませんから、外を通る人の目を気にせずにカーテンを開けることができます

そして、北側に道路がありますので、家の北側には駐車スペースがあります。なので、北側斜線制限にもあまり影響されずに、建てたい形の家を建てることができました

北側の1階は玄関なのですが、北側の2階に洗面所があります。北側なので日当たりが良くないかなと思っていたのですが、大きめの窓にしたところ、日差しはなくても明るさは十分でした。

家の北側が道路だと、日当たりが心配だったのですが、家の間取りにも気を遣いましたので、日当たり良好な明るい家にすることができました。わたしたちとしては、家の南側に道路があるより、むしろ良かったのではと思うくらいです。

さんずいが付く土地は良くないのでしょうか?

せっかく建てた家が、大雨や台風で水につかるようなことがあってはとても残念です。昔から、さんずいの付く地名は池や沼地といった低地帯だったから避けた方が良いとかいわれていると思います。わたしたちが住んでいる杉並区でも、荻窪の「窪」は窪地の「窪」ですし、荻窪駅の北側には天沼という地名もあります。

実際に、荻窪駅の南側には善福寺川という川があります。この川は、大雨が降るとときどき洪水を起こすようです。なので、さんずいの付く地名は水につかりやすいという話は、間違っているというものではないと思います。

ただ、今ではハザードマップというものがあって、大雨が降ったとき、どのあたりが低地になっていて水がたまるのか、一目で分かるようになっています。東京都だと、23区内は10cm単位の深さで大雨が降ったときの浸水深が分かるようになっています

なので、さんずいが付くかどうかということではなく、ハザードマップを確認した上で、大雨が降ったときに水につかる可能性があるかどうか、ということを確かめることが大切です。

まとめ

探しているエリアで手頃な値段の土地を見つけると、掘り出し物を見つけたと思って飛びついてしまいそうになります。ですが、旗竿地だったり、北側が道路だったり、安いには安いなりの理由があるものです。わたしたちは、旗竿地や北側道路のメリットデメリットをいろいろ調べました。

そして、旗竿地は安くてもデメリットが多いのでやめようと思いましたが、北側が道路でもそこまで困ることはないかと思って、北側が道路の土地を選びました。実際に、住んでから1年になるのですが、日当たりも十分で何も困っていません。

100%自分たちの希望をかなえてくれるような土地を見つけることはとても難しいですから、いろいろと勉強をして、どういうところなら諦めてもいいかなど、妥協できるところを用意することも大切です。

ですが、大雨が降ったときに水につかる土地だけは避けるべきです。自治体が作っているハザードマップを見れば、どの場所が、どれくらいの深さの水につかるのか一目で分かります自分自身だけではなく、家族も守る大切な家なのですから、水につかる可能性のある土地に住むことだけは絶対に避けるようにしましょう